化粧品のポテンシャルについて

専門家に言わせると、練りほど難しい素材はない。口紅が一応文句が出ないまでの処方に行き着くまで、何世紀もかかったことを見れば、その難しさがわかるだろう。しかし、十九世紀に練りから始まるファンデーションの歴史も、パウダリーを生み、ギリギリまで軽くなったあと、今再び練りに戻ろうとしているのは、そこに私たちには想像もつかない技術的革新があったわけで、今用の練りブームは決して見逃してはいけないのだ。練り最大のネックだった、肌のキメまで隠してしまうカバー力を弱め、皮膚感を感じさせる透明感を生み、練りの宿命だった化粧もちの悪さ、くずれるととっても汚いという性質が、かなり改善されたことによる革命的進化。もともと練りは、皮膚や唇の細かい凹凸を均一に塗りつぶすメリットがあるので、シワやキメの粗さをカバーするのには、粉よりずっと向いている。そこに透明感ともちの良さが加われば、もう百人力。結論を言おう。肌がパンパンに張っているうちはいい。でも、ほんのわずかでも肌が変わったら、そして化粧品が肌に吸いつかなくなったら、化粧品の素材を“練り”に変えていく。練りは化粧品と人間の顔を一体にする魔術。今こそ練りを使って、つるんと化けよう。

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